Ameya Eitaro(あめやえいたろう)

Ameya ROOTS VOL.02

あめやが大切にしたいこと

[宮古島]マンゴー

  • VOL.02 宮古島マンゴー
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マンゴーのふるさと、宮古島青い空、青い海、そして、赤い太陽マンゴー

東京から約1800km、飛行機で約3時間、美しいサンゴ礁に囲まれたリゾートアイランド宮古島で、色彩豊かでエネルギー溢れるマンゴーは栽培されています。
マンゴーの生産高が日本一の沖縄県、中でも宮古島全体では、年間750トンものマンゴーを栽培、県全体の栽培量30%以上を占めています。島内でマンゴーを生産する農家さんは約100軒、まさに宮古島のを代表する産物です。

今回訪問したのは大野越果樹園さん、ご案内頂いたのは宮古島生まれで宮古島育ち、生粋の宮古人(みやこんちゅ)友利憲昭さん44歳。農園を継いで4年、二代目の専業農家さん。
どこか自由人の様な雰囲気がある友利さん、以前は音響関係のお仕事を10年間されていたそうで、音楽をこよなく愛するソフトアフロヘアーが印象的で、底抜けに明るそうな笑顔が素敵です。
ゆっくりとした沖縄独特の抑揚でお話は面白く、こちらも笑顔になりどんどん引き込まれます。

  • 天国のようなリゾートアイランド宮古島の浜天国のようなリゾートアイランド宮古島の浜

大切に育てられたマンゴー

風が優しく吹き抜ける音しかしない静かな作業小屋の周囲には、数多くのビニールハウスがあり、そのひとつに早速ご案内して頂きました。
枝にぶら提げられた白い紙袋で覆われたのが全部マンゴー。その圧巻さに驚きです。
紙袋を包む理由は、直射日光に当たってしまうと、マンゴーが早熟したり、日焼けしてしまうからだそうです。
ひとつひとつが大切に育てられ、まるで赤ちゃんの様です。
それぞれのマンゴーは、無数の紐でハウス内に吊り下げられています。熟してきたマンゴーは、自然に木から落ちてしまうので、ひとつひとつ丁寧に天井から伸びる紐で吊って守られています。
太陽をいっぱい浴び、さらにミネラルたっぷりの土壌と水で育つ宮古島産マンゴーは濃厚な甘さと芳醇な香りで、食べるとやみつきになります。とろけるような果肉と恵まれた環境の中で完熟するまでたくましく育てられ、袋に自然落下した果実のみを出荷します。

「これじゃ、どれが熟しているのか判らない」と思っていたら、紙に包まれたマンゴーの見分け方を友利さんに教えて頂きました。うっすら紙袋越しに見える実の色を見て判断するそうです。撮影しているとちょうど太陽が差し込んできて、マンゴーを包んだ白い紙がきらきらと光った様に感じました。

友利さんが栽培で気を付けているのが「太陽」。
太陽は、マンゴーをきれいな赤色に染めるための大切な要素。陽の光をたっぷりと受けたマンゴーは、鮮やかな色合いになり、美味しさを蓄えます。そのため、マンゴーひとつひとつの実にしっかりと太陽が当たる様に影となる葉を間引くなどの環境を整える事に重きをおいています。

  • 大野越果樹園の友利憲昭さん大野越果樹園の友利憲昭さん
  • 袋に包まれていても熟したマンゴーの声が聞こえるらしい袋に包まれていても熟したマンゴーの声が聞こえるらしい

マンゴー栽培の1年

マンゴー栽培には、とにかく手が掛かります。
マンゴーは温かい環境でしか育てる事ができません。
マンゴーは1つの花枝には1000以上の小さな花がたくさん咲きます。その様は圧巻!
つぼみがつく11月頃からしっかりと気温調整を行うことで、つぼみが開花しやすい環境を整える事ができます。ハウス内の気温が低いと12月頃にマンゴーの花がうまく開花せず、受粉を担っている虫たちの活動が鈍くなります。樹にも虫にも優しく冬を過ごす事が大切なのです。
受粉した花は実となり、2月~3月にかけて徐々に膨らんできます。

これをそのままにしてしまうと幾つもの実がなり、実を大きくする事ができず、栄養が偏り不効率になります。また実の数が多すぎると樹が疲れやすくなり、収穫後の樹体回復がうまく行えなくなるなどの弊害が発生します。そのため1つだけの実を選んで栽培します。
1つの実に絞る理由は、栽培管理を楽にする意味もあります。小さなマンゴーをたくさん栽培するのではなく、大きくて立派なマンゴーを確実に栽培する、より質のよいマンゴーを作ることができます。
そして収穫が終わりそうなタイミングで、来年の栽培に向けて樹の剪定などの手入れが始まります。

早い段階から環境作りを進めておくと、スムーズに収穫期を迎える事ができます。
6月上旬から7月中旬頃が収穫のピーク。この作業を確実に行う事で、翌年の栽培に向けての準備が整います。結果的に丁寧な作業をする事が出来、美味しいマンゴー作りに繋がります。

シーズン中の収穫は1日2回、朝早く薄暗い6時ころと、16時ころ。自然に袋に落ちたマンゴーだけを収穫します。(東京と宮古島では日の出時間に1時間以上の差があり、日の出と日の入り共にゆっくりなんです)
有機系の肥料を中心に施肥し、島の恵みであるミネラルに支えられ、栄養バランスの取れた美味しいマンゴーに育ちます。

  • 一つの花枝から選ばれし実たち一つの花枝から選ばれし実たち

マンゴー栽培の歴史

昭和の初期に台湾から沖縄に移住した人が持ち込んだのが始まりと伝えられています。本格的に栽培方法が確立したのは1980年代以降と言われています。
そう考えると、あまり歴史は無い様に感じますが、それを大きく支えて飛躍させたのが宮古島の自然環境。島全体が隆起したサンゴ礁でできており、豊富なカルシウムを含んでいます。
日本でも珍しい亜熱帯気候で、1年間の平均気温は24℃。太陽を一杯に浴び、完全無加温のビニールハウスの自然温度だけで、宮古島のマンゴーは成熟してゆったり栽培されています。
また周囲が海に囲われているので、ミネラルの多く含まれた雨が降る事も、美味しいマンゴーができる恩恵なのかもしれません。

島の誇り、宮古島マンゴー島の誇り、宮古島マンゴー島の誇り、宮古島マンゴー

全国的にマンゴーは宮崎県が有名ですが、宮古島の方々は皆を揃えて「糖度、見た目は、宮崎県産のマンゴーにも劣らない」「宮古島のマンゴーの方が濃厚で美味しい」と言います。
完全無加温で、ビニールハウスの中あふれんばかりに照りつける情熱的な太陽と、宮古島特有のミネラル豊富な恩恵を受け、宮古人の気質そのままに、ゆったりとのびのびと栽培されています。
地球にも優しく環境にも配慮、まさに近年宮古島が掲げている「エコアイランド宮古島」の名にふさわしい果実なのかもしれません。

美味しいマンゴーは「追熟」がポイント

友利さんに美味しくマンゴーを食べるためのポイントをお聞きしました。
果実の色が濃く、ふっくらと膨らんでいるもの。
買ってきたばかりの鮮度の良いマンゴーは、果皮全体的に白い粉をふいたような状態です。(この白い粉をはブルームと呼ばれます)。
この段階では、見た目は赤くても香りが弱く、果実の先端が緑色で果肉全体が少し固く感じられます。
肝心なのは「追熟」。直射日光の当らない常温の部屋に1~3日程度ねかせておくと、全体的に果皮の紅色が濃く先端もオレンジ色に色づき艶がでて、場合によってはヘタの部分から透明の蜜が垂れてきます。甘い香りがして果肉が柔らかく感じられ、ブルームが消え全体的にベタつく様にも感じますが、心配は不要。これはマンゴーが出している食べ頃のサインです。ブルームが抜けて熟成が進んだマンゴーは、冷蔵庫で冷やして保管して早めに食べるのが良いそうです。

マンゴーのおいしい食べ方は、シンプルにそのまま食べるがイチバン。
何も手を加えず、マンゴーそのものの甘みを存分に感じられる食べ方がベストです。
そしてマンゴーで1番おいしい箇所は種のまわり。一番甘く、一番濃厚な味わいを楽しめます。

ちなみに宮古島の方々、頻繁にマンゴーを食べているのかと思いきや、日常的にはあまり食べないんだとか。なんだか意外でした。

Amaya Etaroの商品とマンゴー農園で撮影。

まず、宮古島のどこまでも開放的な空気に圧倒されました。東京から着てきたジャケットやワイシャツがとてもなく似合わないところです。早速、宮古島の商店街でTシャツと短パンを購入。
郷に入りては郷に従いです。

農園で、完熟したマンゴーをいただきました。一気に南国気分が体いっぱいに広がります。滴り落ちて溶けてしまいそうな甘い果肉と香りは、まさに南国の果物の王様にふさわしい。

2019年7月
あめや商品開発室
写真
セスカ カラバイン 沖縄県宮古島在住

Amaya Etaroの商品とマンゴー農園で撮影